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淫徳のスゝメ
第5章 私の暗黒時代のこと
「姫猫、お風呂入ったの?」
「いいえ」
「でも、下着……」
「外したの」
私は律子の指を捕らえて、客に媚びる娼婦のように、いやが上にも大胆に、彼女に乳房を触らせる。
「律子の指、ちゃんと感じたくて……。下着つけてたら、待ってた分、埋められないから……」
「──……」
摩訶不思議な田舎に禁足された若者は、愛慾に渇いてもいるのかも知れない。
律子は私を非難して、同時に彼女自身を果報者と認めていた。
何せ私は迎えのあと浴室に移っても、貞淑な細君を気取って律子に尽くす。彼女にキスしながらその敏感なところを撫で回し、洋服を脱がせて、同じく一糸まとわぬ姿になった私自身の身体をじかに触らせる。時には乳房でボディソープを泡立てて、彼女の身体を洗ってやった。
私の欲望に付き合いながらも、律子自身、残虐なまでに色の道を渇望しているところがある。
彼女は私が本性を現せば現すほど、私を咎め、私を愛する。
「はぁっ、……姫猫…………なんて、なんて私、運が良いのぉぉ……っっ」
貴女のような配偶者を迎えられて。貴女のような、淫乱な女と結ばれて。
「気が狂ってしまいそうよ……!!」
愛もモラルも不要だ。
髪を乾かすのもそこそこに、私達は四畳の部屋に転がり込んだ。