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淫徳のスゝメ
第1章 私が淫蕩に耽るまでのこと
蓮美先生の指摘の通りだ。
私は真っ暗闇を見澄まして、蓮美先生の指を探していた。唇を逃すまいと胸を浮かせて、一秒でも長く乳首が吸われているよう努めたり、先生の指の腹にクリトリスを押し当てて、腰をくねらせたり。
裸を隠すことは罪悪。快楽を否定することなど以ての外。
私はお父様の教義を身にしていた甲斐あって、お母様のような醜態を晒すようなことはしなかった。
「そう、良い子。姫猫…………貴女、本当に優秀だわ。まりあと同じ親子と思えない」
私がお父様とのことを話すと、蓮見先生は息をこぼした。優秀な生徒が褒められる時の、教師らしい息だった。
お父様を愛していた。愛していながら怖かった。
私はその時分誰にも打ち明けられなかった胸の内を、更に蓮美先生に話した。
知っているわ。
艶のある掠れたメゾが、私にそっとささめいた。
お母様は、よりにもよって、お父様が私の破瓜を行ったことまで知っていたのだという。夜な夜なパートナーの書斎や寝室からこぼれてくる、娘の絶叫。お母様は、それについてもお父様に何度か詰問していたらしい。