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淫徳のスゝメ
第6章 私が見た海の向こうの嘲笑のこと
「明後日、結婚式に出てくれないか」
「唐突ね」
「紹也(しょうや)が急かしてくるからな」
ネオンの街を離れると、私達を乗せた丸井の車は広々と続く庭園のような住宅街に入っていった。そして、こぢんまりした宮殿を彷彿とする建物の庭に停まった。
「お帰りなさいませ、遊様。姫猫様」
「お帰りなさいませ」
車を降りた私達を、夜勤のメイド達が迎えた。ブロンド碧眼の彼女らは、私を浴室へ勧めて、お兄様をリビングへ案内した。
お兄様が私に告白したのは、私がハーブを匂わせて、バスローブでお茶を飲みに戻った時だ。
「明後日の結婚式は、お前も主役だ」
くちゅ、じゅる、じゅちゅ…………
アリーというメイドの一人が、露出したお兄様のペニスをしゃぶっていた。
私はハーブティーを飲みながら、酒を仰ぐお兄様に、言葉の意味を要求した。
「お前も結婚するんだよ。オレと」
お兄様のジャケットから、小箱が出てきた。
酒のつまみでも拾い上げる手つきでお兄様が蓋を開けると、色を持たない炫耀の花──…ダイヤモンドの指輪がかしこまっていた。
「オレらの故郷じゃ、結婚万歳、それが偉いもんだったろう?」