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淫徳のスゝメ
第6章 私が見た海の向こうの嘲笑のこと
* * * * * * *
二日後、私と丸井、佳子さん、紀子さんと紹也さんは、お兄様の友人ロベルト・ポーターの招待を受けた。お兄様と、それから本人の所望で神父も一緒だ。
「ようこそおいで下さいました。姫猫さん、花嫁衣装をとかれても、非常にまばゆい……!ふふ、紹也さん、新婚生活はいかがです?遊は多情で大変でしょう、まぁ、せいぜい諍わないよう、皆さんで遊をシェアすることです」
ロベルトの私宅は小振りのホテルを聯想する。
日本の公園ほどある庭は優雅な曲線の門が囲繞しており、煉瓦造りの建物は、窓の数からして五階ある。稜が住居と占いの館を兼ねていたのとは違う、淫らな跡地ではあるまいが、山道の奥という立地もあって、秘めやかな雰囲気に包まれていた。
玄関は、二十足以上の外履きが靴箱に収まっていた。
女性向けのデザインに、男物、それらはサイズも大小あって、近くの傘立てには雨傘二本と六本ほどのパラソルが差してある。
「ご家族が多くていらっしゃるの?」
私の疑問は、客間に入って解消された。
客間ではない、そこはサロンと呼べよう。
女が半数、男も半数、性別を甄別し難いのが三人くらい、談笑していた。年のほどは下は十八、上は六十といったところか。
彼女達はロベルトの同志で、友人同士でもあると言った。