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淫徳のスゝメ
第6章 私が見た海の向こうの嘲笑のこと
* * * * * * *
夜、私達と革命団は、裏路地の外国語教室を訪った。
ここでは十代から二十代の若く美しい留学生らが働いており、彼女達はこの土地の人間(生徒の過半数は男達だ)に故郷の言葉を教えながら、屡々、彼らの私宅にそのまま借り入れられてゆく。
私とお兄様、紀子さん、丸井、神父のテーブルの担当になったのは、日本出身の愛々(めめ)と奈子、ののはだ。
愛々(めめ)は国立大学院に在学しており、半年間、アメリカの政治を学ぶために交換留学しているという。奈子の方は十七歳だ。重役を務める両親の単身赴任に伴っての在米中、急に会社が倒産し、一家揃って諸々の負債を返済するための資金を工面しているらしい。
「ののはは?」
「去年、音楽の専門学校を卒業しました。海外の音楽を勉強したくて、世界を転々としながら昼間は業界を手伝って、ロスに来てから夜はここで」
「奈子以外は働く必要ないわよね?わざわざ風俗店にいるなんて、淫乱なの?」
私は愛々の乳房を掴んでつねってやった。
紺のセーラーカラーの薄手のブラウス、白い生地は尖った先端を透かしており、愛々が向かい席に座ったお兄様達に酒を注ぐ度にプリーツスカートの襞が舞い、臀部と太ももの境界が露出する。
「ぁっん!」
教材は、広げてあって、まるで意味をなしていない。もとより日本人が日本人に日本語を教わるのも滑稽だ。