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淫徳のスゝメ
第1章 私が淫蕩に耽るまでのこと







 それから私と蓮美先生の関係は、生徒と教師のそれに戻った。



 蓮美先生は相変わらずお母様を辱め、お母様は強情な本性を、その肉体に代わらせていた。



 お父様の私への愛情は、時を重ねるごとに増してゆく。お父様は、さしずめ私の大蔵省、それより有能な私の奴隷だ。

 洋服も、装飾品も、或いは土地も、株も、人間も、私に手に入らないものはない。稀に見る美少女の生死さえ、私に采配の権利がある。


 私は少女が好きだった。

 尊敬しているお父様が生殖器を貫きたがる対象は、決まって女だ。私はお父様を愛しているのと同時に、奴隷呼ばわりしているお父様のようになりたかったのかも知れない。なかんずく高貴な家柄の出の少女を破瓜させ、ブーケに仕上げ、その肉体の最も美しい部分を嚥下する時、私の全霊は天にも昇る劣情にのまれた。


 登校しても、私を非難し、抗議する人間はきよらくらいだった。
 最近、私はきよらと例によって校内で口論を繰り広げた。私のとりまき達がきよらを追い返したが、その日を境に、きよらは学年内で嫌がらせを受けるようになったらしい。


 常に私はきらびやかで甘ったるいものにうずもれて、昼夜官能の熱に浮かされいた。寝ても覚めても喪に服したような顔をしているお母様ときよらと違って、充足した日々を送った。
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