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淫徳のスゝメ
第7章 私がつい経験した蜜月のこと
「ぁっ……はぁっ、はぁっ、……」
「姫猫……。ストッキング、邪魔だわ……」
「ぅっ……ふん!んっ、はぁっ、破って……まづる…………」
人前式は、まだ摯実な誓いが立てられる方ではないか。保証人が人間なだけに、見世物の演じ甲斐もある。
私達は、誓いのキスで身体に触れ合うところまでを披露する段取りをしていた。
まづるは、その手の質感さえ私の胸を昂らせる。あくまで列席者らに向けたサービスも、あっという間に呼び水になる。
「はぁっ……ぁっ、あぁぁ……」
「はい、時間切れ」
「──……。はぁっ、……」
ひくひくひくっ…………
水から打ち上げられた魚のごとく私の身体を、まづるが捕らえた。
まづると同じガーベラのコサージュを挿した私の髪を、彼女がやおらかき上げる。ダイヤモンドの耳飾りの裏側に、柔らかな息がふっと触れた。
「続きは夜ね」
「はぁっ、……ん……」
「今日くらい姫猫を独占してたいんだ。姫猫のいやらしいとこ、他の人に見せるなんて、ダメ」
「ん……」
私は、聞き分けの良いペットの仕草でまづるにすり寄る。
式は滞りなく終わっていった。
初対面のまづるのお祖母様は、想像以上に若年だった。ともすれば有本さんより歳下の彼女は、私を手放しに賞賛し、彼女ともに末長い絆に結ばれることを所望した。
舞さんの姿もあった。私がまづると初めてセックスした時に華を添えた、彼女の昔馴染みの愛人だ。舞さんは配偶者と息子と共に私達を祝福して、彼らが席を外している隙に、また私達と閨房を共にしたいとささめいた。