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淫徳のスゝメ
第7章 私がつい経験した蜜月のこと
* * * * * * * *
週明け、行きつけのナイトクラブを訪うと、かまびすしい祝福が私達に襲いかかった。
「姫猫!まづる!おめでとう!」
「二人とも綺麗だったわ、良い式だった。日本の女の子カワイイ!まづる、ロリィタファッションのウェディングドレスなんてさすがね、姫猫のセンス、ナイスだわ」
「姫猫は花嫁姿でもエロティックね、四度目の式はいつ?……なんて、先週のが一番好きよ。貴女、本命はまづるだったのね」
「二人とも、ケーキ焼いたわ、今夜は若い子だけでお祝いしましょう」
ジェシカにアリア、エレン、ポリー──…久しく私が娯楽に興じられるだけの余裕を取り戻した昨年秋から交流を始めた顔馴染み達は、新婚の二人を人気席の半個室に担ぎこんだ。
オーナー手製のホールケーキは、米国らしいカラフルな装飾が施してあって、アイシング製のドールが二体、チョコレートプレートには飽きもしないで「Happy Wedding」と書いてある。
「ご飯は食べた?飲み物どうする?」
「まづるは紅茶ね。そんなに美味しい?んん?姫猫は、お酒じゃご不満?」
「ジェシカ、まづるの前よ」
「良いよ。姫猫はヤッてもヤッても発情するし」
「お許し出てるー。姫猫ってば歳とってもこんなんなのしかしら、将来が楽しみね、さ、膝へおいで。私にとびきりいやらしいキスをしなさい」
私はスパークリングワインをオーダーすると、ジェシカの膝に跨った。
赤茶色のソバージュをくすぐって、シャープなおとがいを持ち上げる。
ちゅ…………
極彩色の明かりが散らばる店内は、顔見知りばかりだ。交流のない客もいるが、彼女らも懇ろな関係らしく、既にいやらしい行為の許可をオーナーから得たあとと見える。