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淫徳のスゝメ
第7章 私がつい経験した蜜月のこと







「姫猫、貴女はまづるさんと結婚なさってから、私達を蔑ろにしてるわ。いつから恋人を優先するような人になったの?…………冗談よ。でも、私達とも遊んで頂戴」

「そうですよ、姫猫さん。先週なんかは愉快だった。さる大学の有名教授がガーデンパーティーを開きましてね、ちょうど卒業生がいるものだから、まぁ、そちらにいるクレアとアンシーですよ、彼女達にも招待状が届きました。二人には催淫剤を持たせました。そうしたら、パーティーのお偉い主催者は、近くにいた元教え子計七名にセクシャルハラスメントを働いたそうです。オレとしては、二十人は被害を期待していたのですけどね」

「ロベルト、そんなことより一昨日の事件を聞いてもらいなさい」

「そうですね、姫猫さん、一昨日は傑作でしたよ。実はユージーの勤めている製薬会社は労働基準に抵触しいましてね、少し前に社員が死亡していたんです。ええ、過労死です。もちろん、会社側は本人の体調管理の怠慢と言ってとりあわない。そこでオレ達はある魔術師から特殊な毒を入手して、その会社の社員達……主に勤務時間外労働を強いられている者どもに飲ませました。皆、体調を崩して十日以上は働けなくなりましたね。そして五十人の死亡が確認出来たのが一昨日です。昨日の朝にはすっきりと目が覚めましたけどね」

「医師達は奇跡的な生還と片づけたそうよ。日本の闇科学者はすごいわね、あんなものが作れるなんて……。甲斐あって、責任者達は今度こそ言い逃れが出来なくなって、社員達も積極的に会社側の落ち度を証言するつもりになったわ」
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