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淫徳のスゝメ
第7章 私がつい経験した蜜月のこと


 白熱するロベルト達も等閑して、お兄様はソフィアという大学生の女に跨って、彼女の乳首を吸っていた。

 誰にでもペニスを提供する気前の良さからか、お兄様は老若男女に人気がある。ソフィアの衣服を乱してゆくお兄様のズボンを、彼女の隣に腰かけていたマイケルが下ろし、彼と一緒になってサリーという女がお兄様の臀部にキスを始めた。


「おやおや、遊は真面目な話になるとこれだ。オレの仲間は善より性か」

「それには私も同感しますわ」


 特殊な毒薬には好奇心をそそられた。私も大学教授のセクシャルハラスメントの顛末であれば傾聴していたかったが、労働時の問題においてはめっぽう退屈していたのである。


 この世は採取するもの、される者とに分かれている。

 労働者が労働者であるのは卑しい生まれであればこそで、それだけ私達のような上流層に間接的ながら献上する負担もかかる。しかるに、彼らには蓄えが必要だ。固定労働時間を上回る就業を強いられたところで、雇用してもらっている以上、むしろ感謝すべきではないか。
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