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淫徳のスゝメ
第8章 私を競った愛達のこと
「宝石じゃないなら、何、よ……」
「姫猫のいじわる……っ」
ぐちゅ、くちゅちゅ…………
「指、挿れて……。姫猫の、指で、私のヴァギナ……もう、ダッメ……っっ」
「全く、ものを頼む言いようではないわね」
三井田さんを羨んでいるところがあった。
まづるを唯一、あられもない姿にしているという三井田さん。あくまでまづるに従順で、彼女の言いつけでサディズムを学んだ舞さんとは違う。三井田さんは対等だ。私と同じ、まづると対等の立場にありながら、彼女を蹂躙してきたのだ。私の知らないまづるの時間を、私の知らない彼女の表情(かお)を知っている。
「おねだりして頂戴……」
「はぁっ、はぁ……」
「貴女が愛人にしてきたように、私を欲情させなさい……」
私はまづるの口舌を塞いだ。
まろやかな唇を唾液でなぞって、さっきまづるが私を見つめていたのと同様に、私は彼女を間近に見澄ます。
「お願い……」
「…………」
「お願い、します……。……私の、いやらしいお汁てで、どろどろになったヴァギナに──……」
私から強要しておきながら、あとに続いた彼女の言葉は耳殻に触れるや消えた。
まづるは、私がセックスの味をしめた時分から、世間がマニアックと呼ぶ類の映像に感化された遊戯を賞翫していたらしい。
それだけ恥じらっていなくても、いじらしい芝居は心得ているのかも知れない。服従に無縁な彼女でも、その習熟が、加虐心をかき立てる表層を繕う法悦を求めるのかも知れない。
目路からも、私は犯されていた。
生まれ育ちが崇高なだけの女を組み敷きながら、私が蹂躙されている。