この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
淫徳のスゝメ
第8章 私を競った愛達のこと


 稜は続けた。

 三年前、占術がまづるをおびやかしたのは、彼女に恨みを持つ女の影だったという。

 両親の不和を目に焼きつけながら、男女の婚姻という悪徳が美化される、否、義務づけられるような環境下にいた。その反動から、まづるは舞さんとの不倫を始めて、配偶者を持つ女の戸籍を嘲笑するのと同時に、彼女達を憐れみから愛するようになっていった。彼女らを愛せば愛するほど、性別の壁に隔てられた女と男のみならず、女と女の愛さえ猜疑する。

「人間が愛を賛美するのは、愛が賛美されているから。私は一昨日、まづるに気付かれないよう彼女の命運を改めて読んだ。彼女は、姫猫より脆弱ね。ないものねだりに囚われている、存在しない愛なんていうものをまだ求めて、存在しないなら壊したいとまで考えている。そしてどのみち壊すものなら、利益も得るつもりなんでしょうね。姫猫がまづるに懐いている内に、彼女は、貴女の命も財産も、仏野の権限も奪うつもりよ」

「…………」

「貴女に、三年前のような思いは二度として欲しくない。させない。私の言葉を信じて。姫猫。貴女は貴女の地位や名誉を守っていれば、友人一人諦めたって、望めば何でも手に入る」


 稜の訴えは切実だ。その塩梅は、彼女が私に禁じるものが、彼女自身に溢れ返っているほどである。


 まづるは、稜から毒薬を買い入れたという。


 稜の話が事実であれば、私は一週間以内にそれを盛られる。
/403ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ