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淫徳のスゝメ
第8章 私を競った愛達のこと
「姫猫……」
私はまづるのとろけんばかりのキスに応えて、彼女の唾液をねだった。
味覚の分泌液だけでは足りない、まづるの脚と脚の間に潜む、美しい肉色の薔薇から這う愛液を飲み干しても、けだし私の心魂は潤わない。
「ん、はぁ、んん、……」
「姫猫のも、頂戴……。すごい……姫猫……すごいよ……」
「ん、まづるぅ……」
「姫猫、分かる?ホック外したばかりなのに、先、尖ってる……。顫えてるよ……いやらしい、顔……。だらしない匂い、してたもん……。メイドさん達にも、脚、開いてきたの……?貪欲なとこ、見せてきたの……?」
「はぁっ、ん、んん!っっ……」
まづるは私の乳房をさんざっぱら揉みしだいたあと、ブラウスも、肩紐で辛うじて引っかかっていただけのブラジャーも、取り払った。
ちゅぱ……てろっ…………
まづるの舌が私のおとがいにこぼれ落ちて、そのキスが、喉を、鎖骨を、胸と胸の渓谷に伝う。
「あああんっ」
乳首に甘噛みを受けながら、私は寝台にくずおれた。
スカートを自ら脱ぎ捨てて、パンティにまづるの片手を誘って、淫らな口舌を請い願う。
「シミ出来てる……」
「今、出来たものよ」
「感じてるんだ?」
「こんな、胸……見られたら、感じない方がおかしいわ……」
「見るだけで良いの?」
「──……」
私は、首を横に振る。
まづるの扇情的な指が、私の肉叢を絶えず遊ぶ。キスが、吐息が、ささめきが、私から欲望的な意思を引き出す。
私には、稜の力を今や疑う理由はない。
稜の揶揄は的中だった。
寂しかったのだ。私はまづるの許に戻りたかった。稜の指が這った肌も、彼女のキスが啄んだ肉も、まづるを感じて初めて満ちる。
「頂戴……深く、深く……壊れるほど、私に、まづるを刻んで……」