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淫徳のスゝメ
第2章 私が享楽的親友に出逢うまでのこと



 こんな兄妹ドラマが繰り広げられていても、今は朝餉の最中だ。

 真新しいテーブルクロスの敷かれた食卓には、爽やかな渋みを含んだイングリッシュブレックファーストを満たした茶器が五人分、庭園から採られてきたばかりの卵や野菜が皿を彩り、焼き立てのパンの匂いが、テラスからの日差しを連れたそよ風と戯れている。



 私は、側にいたメイドに二杯目の紅茶を注がせた。



「む……む、ね……を……」

「ああ?」

「おっ……ぱい…………おっぱいを、揉まないで……下さい……」



 小学校に通っていた時分から、私もきよらも、お兄様にはからかわれていた。きよらも学習していたようだ、お兄様の好む媚びた単語を持ち出した。


「仕方ねぇなぁ。セフレの一人もいねぇから、お前はいつまでも貧乳なんだぞ」

「ひぃっ……」


 お兄様の人差し指が、きよらの乳首に当たろう部分をひと突きした。それから何事もなかったように、お兄様は食事を再開した。
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