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淫徳のスゝメ
第9章 *最終章*私が淫蕩に耽った末のこと
「んん、ん……はぁっ、んんぅ!んっ、はぁ、…………」
稜は私を罵倒して、称賛して、罵倒した。
私は稜の罵倒にとろけて、口説き文句はキスをいっそう濃密にした。
「ねぇ、ここ!ここに挿れて!唇も、お尻の穴も、びらびらが付いてる愛液だらけのヴァギナも犯して!」
私はロープを軋ませて、懇願した。
稜は彼女の唾液をたっぷりと私の喉に流し込んで、私のそれを吸い上げる。そして、アヌスにディルド、クリトリスにローターが備わって、私の性器を彼女の腕が貫いた。
「あああああっっっ…………」
私は、搾取されるべき人間ではない。
それでも時に桎梏されて、支配を受けて、その根底に献身めいたものが根づいた蹂躙に、打ち顫えることは許される。けだし稜にのみなせる業だ。
稜の略奪がお父様を狂わせて、彼女が私に快楽の味を覚えさせて、私の命運、私の在り方、私が誰を選ぶべきかを指南した。
私は、稜の暴挙そのものに、いつの時も濡れていた。
深夜十一時を回る頃、私はお兄様に連絡をとって、宴を閉じた。
一端ドレスを整えて、パーティー客達を送り出す。数日日本に滞在するロベルト達に呼んでやるタクシーは、保留した。
私は稜と、その間も手を組み繋いでいた。
「姫猫」
稜の斜め後方に、メイドがかしこまっていた。
私がメイドから電話の子機を受け取ると、ロベルト達に興奮の気色が顕れた。
「ヤツをかくまう手配は万全だ。姫猫、上手くやれよ」
私はお兄様に頷いて、ダイヤルを押す。
数回の呼び出し音ののち、男の声が電話口に出た。盛装した客達に混じって、恥ずかしげもなくぼろ雑巾のような格好で帰っていったきよらの配偶者である。