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淫徳のスゝメ
第2章 私が享楽的親友に出逢うまでのこと
「んっ、……」
「お行儀が悪くてごめんなさいね。あれは良人のデリヘルから連れてきた商売女なの。元は医者の娘なのだけれど、ちょっとした借金を抱えてね」
有本さんは、隅で呻吟している女の身許の披露を始めた。
女の実家は大病院で、彼女も昨年までその家業を手伝っていた。
ある時、有本さんの配偶者の部下の一人が怪我で件の病院に駆け込んだ。入院中、彼は女を気に入って交際を申し込み玉砕、そこで組長である有本さんの良人に相談した。数日後、有名病院の経営破綻と医療ミスが、ニュースになった。女は多額の賠償金と両親の保釈金を工面する必要に迫られて、暫く患者として接していた男の首領の詭計に巻かれて、入店に至ったのだという。
「構いませんの?いくらお知り合いの報復のためだとおっしゃっても、そのような陥穽をなさって……。有本さんは、警視庁最高幹部のお方ですのに」
有本さんの長い指が、私の乳房を揉みこんでいた。
たわやかな力加減がシフォンを盛り上げる丘陵の麓を這い、たぷんたぷん、と、皮脂のまろみが変形するほどぞんざいな愛撫にとりこめられる。
「優しい子……姫猫」
有本さんは私を後方から抱いたまま、耳朶から首筋を息でくすぐった。