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淫徳のスゝメ
第2章 私が享楽的親友に出逢うまでのこと
* * * * * * *
翌年の春、私は高等部に進学した。
私邸を彩る故郷の花は、例年に増して色づいた。
甘辛い匂いが碧落の注ぐひだまりを染めて、私の官能を顫わせる。
中等部より深い色のセーラー服に身を包んで、朝夕の登校を繰り返しながら、私は桜に恋をしていた。
桜は少女達の色だ。
少女達の色が私をくすぐり、私を来し方の名残にいざなう。
お父様やメイド達、お兄様の視線に構うことなく、私は月夜に裸になった。
とりわけ目路の開けた夜、灌木の囲繞している庭園に出て、私は甘辛い匂いに抱かれて私を犯す。
その肉体の最も優れた部位を私に預け、久遠に眠った美少女達。
優れた血統の同性ほど、私を濡らした。
私の潮汐波がひくことはなかった。月を吸った薄紅色の陰の中で、腕が痺れるほど乳房をしごき、クリトリスをこねくりまわして、性器を樹幹にすりつけた。かき乱した壺から抜いた指は、湯浴みのあと同然になっていた。
私を世話するメイド達は、ほぼ毎月のようにその顔触れが入れ替わっていた。洋服も装飾品も山ほどあった。お父様に与えられる金品に加えて、やはり有本さんとの紙約束も継続していた。
そうした中で、私は空虚に激越していた。
自慢の肉体をどれだけ研磨しても、きらびやかに身を飾っても、使い道など甚だない金銭を蓄えても、気に入った少女を一人残らず消費していても──…。