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淫徳のスゝメ
第2章 私が享楽的親友に出逢うまでのこと
「殿方なんて、肌に触れるのもいやですわ。お父様やお金持ちの皆様は、奴隷のように私に傅くのだから面白みがあるだけ……。私が支配下に置けるような殿方なんて、傲慢な肉体しか残っていないじゃありませんか。ただでさえ私達とは肉体も精神も構造の異なる彼らの欠片を、まして噛み潰し、舌に転がすなんて、考えただけでもぞっとします」
「あら厳しい。私は食べてみたいわ。美少年のお肉なら」
かくいうこの令嬢も、仏野の前では庶民も同然だった。年のほどは確か十五歳、一年前の私より遥かにいとけなく、その体つきも小動物のようにか弱い。
彼女も、私が少しばかり気に入れば、明日からはメイド服で泡沫の主従に徹することになるのだ。もっとも、私は今夜、二次会の予定に浮かれている。お父様と交渉している余裕はないが。