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淫徳のスゝメ
第2章 私が享楽的親友に出逢うまでのこと



「当面は、私の実家へ逃げなさい。あすこは使用人もなく、お祖母様が一人で暮らしているから、姫猫も気を楽に暮らせるわ。お母様はすぐに行くことは出来ませんけれど、ほとぼりが冷めたらきよらを連れて様子を見に行く。学校は仕方ないわね、暫く家庭教師を通わせましょう。お父様に見つからないよう、その方の口は止めておくわ」



「酷いことを言ってくれるじゃないか……まりあ……」


 メイドも払ったアフタヌーンティーの席に第三者の声が介入したのは、突然のことだ。


 お父様は、音もなくそこに現れていた。

 否、お母様はさめざめと涙に頬を濡らすのに夢中で、私は未だかつてない屈辱に戦慄して、扉が開けた音も耳に入らなかったのだ。



「奥さん。私が貴女にどんな仕打ちをしました。貴女は世間体だの神への礼節だのばかり主張する、だが私は姫猫に姫猫の生きたいように生かしてやりたい。愚民どものケチな規則や偏見とは、実に性悪、そりゃあ大多数の支持している意見に従えば、そいつは大多数を威張らせこそすれ、不快にはしない。けれども残る少数は?その土地、その時代に偶然産み落とされたというだけで、多数決によって蔑ろにされた者の意見が、実のところは正解だったりしまいか?……まりあ。貴女の語る神は木像だ。石像だ。絵師やら彫刻師の捏造した、神と名づけられた侮辱の偶像、ままごとの材料に過ぎない。詭弁家の掲げる常識、法律とて同じではないか。仮に神とやらが存在し、貴女がたの言うように、万人を慈しみ、万人に同じだけの苦楽を与えているとしよう。万人には貴女がたの偏見する種類の人間も入る。だが、神は万人を愛するのだろう?我々が罰を受ける理由はなし、善人気取りの貴女がたより苦が減るわけでも楽が減るわけでもあるまい。さすれば、私の気持ちは察してもらえよう。私は姫猫の父親だ。親は世間だの他人だのの意見より、子供の意見を重んじるものではないかね」
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