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淫徳のスゝメ
第1章 私が淫蕩に耽るまでのこと
「そう……良い子ね。ううん、悪い子」
ぴちゃ……くちゅ、くちゅ…………
「ああっ」
「さんざんぐずって、腹の底ではいやらしいことを考えていたのね。……ん?でなければこんなにならないわ。まりあが亭主にしか見せないと意地を張っていたここ、私の指で糸を引いてる。ほーら…………」
ぐちゅっ、ちゃぷ…………
「はんっ」
「いい音ねぇ……」
聞くに耐えない水音だった。
当時の私は十四歳だ。保健の授業で、辛うじてセックスが窪みに突起を当て嵌めるものだと認知していた程度の年端所以、蓮美先生とお母様が何をしているのか解り兼ねていた。
水音は、次第に野生的な粘着性を混じえていった。
蓮美先生の音声はおりふしくぐもり、何かを啜っているようだった。お母様は赤ん坊のように喘ぎ、やはり苦しげに嫌がっていた。…………振りをしていた。
「あ"あ"あ"ーーー!!!」
優雅で清楚なお母様。お父様に似て端然たる顔かたちの私と違って、儚くどこか危うげな情緒をきよらに遺伝(あた)えたお母様は、メイドが粗相をしたとしても、あれだけ声を荒げたことがなかった。
それがその時、私の鼓膜はお母様のいとも動物的な叫喚に打たれたのであった。
鞭が何かを頻りに打つ。その何かがお母様の白くふくよかな臀部であり、やがて加わった機械音が、お母様の生殖器に侵入してゆく突起なのだと想像がつくまでに、さして時間はかからなかった。