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淫徳のスゝメ
第2章 私が享楽的親友に出逢うまでのこと
「お母様に何てこと!誰か!!山田さん!!村上さん!!お医者様を呼んで!!誰か!!」
「そこをどけ!!お前も潰れた顔にするぞ!!」
「訴えてやる!!」
「きよら。貴女の正しい訴えは、お父様の不正に敵わない」
事実、私が有本さんに飼われるより以前は、お父様が美少女らの行方を濁していた。仏野の令嬢に雇われたが最後、消息を絶つメイド達。彼女らの身内が捜索願いを出せなかったのも、家宅捜査が行われなかったのも、お父様が工作してのことだったのだ。
「お母様……お母様ぁ」
きよらは、聞き分けのない赤子のように泣き散らしていた。青紫の顔の女はきよらを抱き締め、「貴女は守る」だの「ごめんなさい」だの、鼻血まじりの濁声で強情を張っている。
「きよら。お母様は平気よ……もうじきメイド達がお医者様を呼んでくれるわ。貴女はあっちへ行ってなさい」
「いや……お母様……ごめんなさい……私が役に立たないから。お姉様を改心させることも、お母様の痛みを代わってあげることも出来なくて。だから、私、いじめられちゃうんだね。格好悪いね……お母様の娘なのに……お母様は、こんなに素敵な女性なのに……」
「きよら……」
「お母様……痛くない?痛いよね……。…──早く!!早くして!!」
「きよら。覚えておいて。貴女は心の美しい子。正しい子。どれだけ人に尊敬されても、どれだけお金があっても、神様は必ず見ているわ。きよらは、皆に優しい子でいて。思い遣りを忘れないで、周囲の人達のお話をよく聞いて。そうすれば、誰もが貴女を愛するわ。貴女は皆を愛し、皆は貴女を必ず愛する。きよらがお母様を愛して、お母様がきよらを愛しているのと同じにね」
お父様が二人を怒鳴り、きよらを母親から取り上げて、十六歳の肉体を剥いだ。
きよらの乳房は、煙草を当てた痕と思しきものがあった。