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淫徳のスゝメ
第2章 私が享楽的親友に出逢うまでのこと
さっきまで、私はあるアートスクールのデッサンモデルを務めていた。
そこそこ審美眼を極めた文化人、もといセレブリティ達が趣味を共有しているアトリエは、唯子ちゃんの知人が経営、講師を兼ねている。裸婦像やら春画やら、そこではとりわけいかがわしい絵画が扱われていた。
今日の課題は、動きのある対象物だった。
唯子ちゃんは私を有志のモデルに推薦し、総勢二十人近くの女達の半円の中に投じた。
洋服も肌着も剥がれ、アイマスクで目路を塞がれ、手錠を嵌めた私の腕は、ポールに繋ぎとめられた。露出した肉壺は存分に濡らされたあと、バイブレーターをねじ入れられて。
私は明るい目蓋の裏を見つめながら、およそ一時間半の間、女達の視線に舐め回された。唯子ちゃんが遠隔操作で、私を貫く異物を遊んだ。
女達のささめきは、過半数が対象物に関することだった。
勉強熱心な彼女らは、まもなく私が腰をくねらせるだけでは飽き足らなくなり、乳房や太ももにちょっかいを出すようになっていった。バイブレーターはリモコンがなしうる干渉を超え、彼女達の手によって、私をいやが上にも喘がせた。
閉講後、アトリエの所有者である講師は、唯子ちゃんに商談を加えた。
(…──貴女の淫らな持ち物を貸してくれたら、代金を上乗せしてあげる)
唯子ちゃんは、論をまたず困窮とは無縁の箱入り娘だ。従姉妹の春を売らなくても、その生活は潤沢していた。
彼女が商談に乗ったのは、例のごとくテレビドラマの影響だった。
閉講後、アトリエより冷厳な纏縛が、私の四肢をとりこめた。
講師は私のあらゆる性感帯をなぶって、乳首を私の自覚するところの最大限にまで膨張させた。
私に浴びせられる罵詈雑言や機械音が響き渡り、性器とアヌスを異物が出入りする振動音、水音が、雑然とした事務室を湿らせた。
私は幾度か気を失った。氷水が私を現世に引きずり戻した。クリトリスの痺れに私が苦痛を訴えると、講師は息を荒げてより強力なローターをとりつけた。