この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
淫徳のスゝメ
第2章 私が享楽的親友に出逢うまでのこと
「唯子ちゃんが嫌いになったら、帰ろうかな」
「怒った?」
「……っていうか、力、入らない」
私の足は、支点も砕けた後である。
とろみ汁は未練がましく精製を続けていた。
唯子ちゃんは従姉妹が辱められている間、近くの店で優雅にカフェを楽しんでいた。甘いケーキがすっかり彼女から劣情を分解したようだが、私の余韻は粘り強い。
「叔母さん達の喧嘩って、どんなだったっけ」
「浴室のタイルを変えるか変えないか。その直後だったっけ、お母さんが入浴した時、お父さんの陰毛が排水溝に引っかかっていたらしくて、お父さんはメイドさんが処分しなかったのが悪いの一点張りだし、お母さんはお父さんがだらしないって譲る気なし。そこから昔の浮気話が掘り返されてきて、あ……激しかったのがクラス会のこと。お母さん、先月は学生時代の仲良しグループで海外に行ってたじゃない?だから、来月の国内旅行はパスしても良いんじゃないかってお父さんがちょっかい出して、お母さんがキレました」
「相変わらずね。でも、まづるちゃんは関係なくない?」
「関係あるよ……」
私の両親の喧嘩は、小学生でも閉口しよう稚拙なものだ。メイド達も、けだし腹の底では辟易している。