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淫徳のスゝメ
第2章 私が享楽的親友に出逢うまでのこと



「貴女のように世間知らずなお嬢様でも、家出なんてなさるのね」

「どうかなぁ。姫猫さんには、私がウブなお嬢様に見える?」


 とくん…………



 そのメゾは、とても危険な媚薬のようだった。


「ぁっ……」

 私の内股と内股を、まづるさんのももが割った。

 初対面の令嬢が、私の左右の行く手を塞いで、不躾に覗き込んできた。



 玲瓏な──…私と同じ、きらびやかで暗い目だ。



 私の息とまづるさんのそれは、心拍とともに交わっていた。


「私に必要なのは、意地悪なお姉様と使い勝手の良いペットだけ」

「え……?あっ……」

「姫猫さんって、お姫様の猫さんという字を書くの?似合うんじゃない。名前の通り、振る舞ってよ」

「っ…………。はぁっ、……」


 まづるさんの指先が、私のおとがいを滑っていった。

 鎖骨を覆ったシフォンを通して、妖しい重みが私を顫わす。

 カーディガンも意に介さないで、その指は、私の乳房に差しかかる。



「場所を移そう。貴女のことは、丁重にもてなすよう言いつけられているの」
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