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淫徳のスゝメ
第2章 私が享楽的親友に出逢うまでのこと
「おとなしい下着。姫猫さんは、こっちから脱ぐんだ?」
まづるさんのメゾが耳にかかった。
彼女の腕が、私の身振りをやおら封じた。
「気分によるわ。今日は、こちらの気分だっただけ」
「ふぅん」
「ぁっ」
ブラジャーのレースが形を崩した。まづるさんの手が私の丘陵をぞんざいに掴み、腹を這い、暴いたばかりの下半身へ移ってゆく。
「下半身丸見えにしてるって、胸出してるよりそそるなぁ。つまりこういう気分なわけ?」
「ええ。貴女に、早く犯していただきたいわ」
「ヘンタイ」
私は顫え上がった。
女に身体を触れられて、罵倒も同然の口舌を浴びて、この先のなりゆきに一秒でも早く身を投じ、一秒でも長く賞翫したくなったのは、未だかつてなかったことだ。
まづるさんは私の黒髪を飾っていたコサージュを外してゴムをといた。
サイドテールに結っていたロングヘアは、清流のように私の尻をくすぐって、キスに啄ばまれていった。
「姫猫さんは、痛いのは好き?」
「痛みも羞恥も、快楽を形容するための言葉と考えているわ」
「気が合うかもね、私達」
私は天井に縛り上げられた。
宮殿風の邸宅は、奢侈な外観を支える柱が入念に巡らせてあり、私の身体はうまい具合に四つ脚の小動物の格好で、宙に浮いた。
四肢のつけ根と乳房、ウエスト、太もも──…纏縛物を当分した麻縄が、私の肉叢を苛む。