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淫徳のスゝメ
第1章 私が淫蕩に耽るまでのこと





「姫猫」

 家庭訪問と銘打って、蓮美先生が仏野の邸宅を訪うようになって半年ほど経ったある夜、私はお父様の書斎に呼ばれた。初潮を迎えてまもなかった頃である。

 お父様とお母様は寝室を分かたっていた。



「裸を見せておくれ」

「はい、お父様」

「こっちにおいで」

「はい、お父様」



 新涼が窓の外を揺らす半宵、私はお父様の力強く暖かな腕枕にうなじを預けて、背徳的な遊びを学んだ。


 お母様の身代わりとして置かれた私は、何が削り取られることもなく、何が傷つくこともなく、ひたすらに心地好くなれる遊戯にのめり込んでいった。


 お父様は私の頬を撫で、首筋を吸い、乳房を優しく揉みながら、濡れた肉棒を太ももに擦りつけた。私は乳房から総身に広がる衝動に酔い、肉体は寝具に置いたまま、されど魂だけをどこかへ連れ去られるような恍惚に息をこぼし、お父様の指先と、縮毛と、生きたディルドに顫え上がった。
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