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わたしはショートケーキが嫌い
第2章 ダークヒーロー
下半身がこれだけ傷められてんだ。
パパはきっと死んじゃった。
生きてるわけがない。
そう思いながら白目を剥いて倒れているパパの顔を見る。
ああ、やっぱり気持ち悪い顔。
「ボクシングとか聞こえたからパパ強いのかなぁ?って思ったらワンパンで気絶したよ?」
「え‥‥‥?」
男の言葉に私は目を丸くした。
聞き間違いだろうか?
今この男は‥‥‥“気絶した”って言った?
「き、気絶?ここ、殺したんじゃ、なないの?」
恐怖で吃りながら私は白目を剥いて倒れているパパを指差しながら男にそう聞いた。
男はニカッと八重歯を見せて笑い、首を左右に振った。
私は立っていられずその場に崩れ落ちる様に尻餅をついた。
生きたまま‥‥パパの陰部を切断した?
胃から晩御飯が逆流しているのがわかった。
「うえぇぇ!うっ!」
耐えられずその場で嘔吐した。
「大丈夫!?」
ママを刺し殺してた時も声を荒らげたり感情を乱したりしなかった男が私の嘔吐した姿を見て焦ったような声をあげた。
散々ひどい光景を見せた相手に大丈夫?って普通聞く?
大丈夫な訳ない。馬鹿じゃない?
って怒鳴り散らしてやりたかったけど、やっぱり私は臆病者だから何も言えず黙って啜り泣く事しかできなかった。