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わたしはショートケーキが嫌い
第10章 盲目的な愛情は身を滅ぼしかねない
「お前は何も分かってない」
ブラックホールみたいに真っ黒な目がレンズ越しに俺を見つめる。
ずっと見ていると吸い込まれそうになる。
「牛豚鶏が殺されたって誰も騒ぎはしないでしょう?」
そして真っ黒な瞳をチラチラ光らせながら慶太は話しの振り出しに戻す。
どうでもいい家畜の話。
けど突っぱねる事ができない。
あまりにも深すぎる黒い瞳が俺の喉を締め付ける。
だから突っぱねる言葉が出せない。
「あの二人は家畜以下の生き物だったんだ。なんなら生ごみ以下だ。リサイクル不可能。ただ腐臭を放って害を与える存在だよ。だからそんなに騒ぐ必要なんてないんだよ?牛豚鶏が殺されたってメディアは一々反応しないのに、何であんな家畜以下が死んだだけでこんなに大騒ぎするのかな?やっぱ一応二足歩行だからかな?」
面白いジョークを披露したあとに笑う金持ちのように慶太はハハハと声を出し手を叩いた。
そんな慶太を見て思った。
ああ、キチガイだ。