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わたしはショートケーキが嫌い
第2章 ダークヒーロー
愛されたかった。
ただ純粋に娘として愛されたかった。
けど、パパは私を娘として愛さなかった。
ママも私を愛さなかった。
「そんなに怖がらないでよ美咲ちゃん」
ヘラヘラ笑いながら私の前に座り、パパの陰部をポケットにしまった男。
こいつ、異常だ。
大体どうして私の名前を知ってるんだろう?
こいつは一体何者なのだろう?
疑問は沢山あったけど、その疑問を目の前の異常者に聞ける勇気は私にはなかった。
「大丈夫だよ。僕は君を殺さない」
ママとパパの血で赤くなったベトベトの手で私のほっぺに触れた男はまた優しく笑う。
人を殺した後にこんなに優しく笑うなんて、どうかしてる。
「僕は美咲ちゃんのことを助けに来たんだよ?ママとパパから。美咲ちゃんのママとパパは随分君にひどいことをしてたよね?」
なんでそんな事知ってるの?
「なんでそんな事知ってるの?って顔だね。僕は知ってるよ。ショートケーキが嫌いな理由も、ショートケーキが出た夜は美咲ちゃんが何をされてたのかも」