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帝警備淫夢譚
第7章 矢上マユ、罠だらけの工場調査
「ばんわ~夜中にどーも」

「…」

声は男だ。
シルエットを視認…巨漢…190㎝はあるんじゃないか…。
敵対するもののサイズを瞬時に把握するのは、この仕事の基本だ。

「警察?民間?そろそろ帝警備あたりが来たりして…な」

「…」

私は壁に背中を付け、最大限距離をとる。
戦っても負けない自信はある。けれど、相手の武器や出方を確認するまでは戦闘行為に及ばない。これは勝つための鉄則であり、正当防衛を立証するためにも重要なことだ。

「女か!?コリャア良い!!」

「しかも、かなりイイ女だぞ」

「たぶん帝警備だろ?あそこの女はベッピン揃いだからな」

巨漢の気づきを、檻の男たちが煽る。

「…あなた達は私と同じ調査員でしょ?」

「だから~逃げられねえんだよ!だったら檻の中でも楽しむっきゃないだろうが!」

おかしい。男たちの言動は何かに狂わされている。
薬?
この空間、私以外の男4人は全員敵と思った方が無難ね。

「お前ら、檻から出してやるから女を捕まえてみるか?」

「おおっマジか!?捕まえたら好きにさせてくれるんだろうな」

「もちろん。捕まえられるならな」

ガチャン。

檻が開く。巨漢がリモコンで操作したのだろう。
男たちは三人とも作務衣のようなものを着ている。のっそりと出てくる。

「三日ほど前にシャワーしたから安心しろや」

私を囲むように追い込んでくる。

真ん中の男の後ろ15mに腕を組んだ巨漢。

三人ともに30代から40代。
右と真ん中は中肉中背。左は180cmで体格良。
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