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第7章 矢上マユ、罠だらけの工場調査

三人が私の間合いに入った。
右側に下げた電気ショックボウガンに手をかける。

それを見た男たちが同時に襲い掛かってくる。

私は地を這うように真ん中の男に突進する。
私は鳥。地面スレスレを飛ぶ。
男の蹴りが鼻先を掠める。
刹那、左に向けてボウガンを放つ。

左の男の腹に矢が刺さり、瞬間、光が迸る。

「ぐうっ！」

左の男が膝をつく。

蹴りを避けられ片足立ちの膝が目の前にある。
ボウガンのグリップで叩き割る。

「ぎゃあ！」

真ん中の男が悶絶する。

次の瞬間、背後から回し蹴り。
避けられない。
ボウガンを持った右手で受ける。
手首がちぎれそうな衝撃。

一旦、距離を取る。

二人は倒した。

けど回し蹴りは想像以上。彼は手強い。

「スゲーな！今の動き！奴はもうダメだなぁ」

巨漢のセリフはボウガンの矢を受けた男に対するものだろう。それにしても余裕がありすぎる。

が。まずは回し蹴りの男。

右手はまだ痺れている。これじゃあボウガンは使えない。警棒も相手に奪われると危険だ。

にじり寄ってきた男が先に動く。
私のベルトを掴みにかかる。私は男の腕に手刀を入れながら退く。男は追ってくる。ノーダメージだ。
後ろに飛ぶ。掴まれば危ない。

しまった！

膝を砕いた男が私の片足にしがみついた。

「っく！」

男の顔面を蹴り上げ顎を砕く。足は自由になった。
が！
私の防弾ベストは追いかけてきた男に掴まれた。

「あなたは調査員だったのでしょ！？一緒に戦えば逃げられます！」

男は応えず、力任せに私を押し倒す。

「っつ！」

抑え込まれる。
男の腰が私の両足を割り、肩が床に押し付けられる。