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帝警備淫夢譚
第11章 松葉昴司、鬼教官と再会す
「何年ぶりだ?」
「何年ぶりでしょうね?考えたことがありませんから」
「おいおい、つれないねぇ。で、ワシへの依頼は何じゃ?」
「I県にある工場なのですが…入れますか?」
俺の前に座る男は、以前と変わらない薄汚さで現れた。
60代も半ばに差しかかっているはずだが、ギラギラとした目つきに隙はなく、獲物を狙う狩人を連想する。
数枚の工場の写真を見せると彼は腕を組み、タバコに火を付けて思案した。
「資金は?」
「…ありません」
「ふんっ、そんなことだろうとは思ったが…」
「無理ですか?」
「あっ?誰に言ってんだ?それより金がねえなら他をあたれ。正義のために無報酬で仕事をする程、俺は聖人じゃねえんだ」
「もちろん。報酬は用意していますよ」
「そりゃそうだろうなぁ。で?」
「帝警備の新人指導のポジションはどうですか?」
「…なんだそれ?くだらねぇ」
「くだらなくはないでしょう。あなたの元々の仕事ですよ」
「だから、くだらねぇって言ってんだ。俺は前総帥と一蓮托生で追放されたんだぞ。元鞘ポジションをくれたくらいで戻れるかよ!」
「有田は分かりますよね?彼、今、組織内偵部の局長なんですが、彼がそのポジションを“あなた風”にアレンジしてくれるそうです」
「“俺”風?」
「…はい。どうぞ。資料です…」
有田が用意した資料を男に渡す。
「……ほうほう…なるほど…有田は出世するワケだわ」
何となく、その言葉にはイラッと来たがここは我慢だ。
「有田は俺を組織内偵部に配属された新人“女性”調査員の指導係にするそうだぞ」
「…そうらしいですね」
「おーこりゃ楽しみだわ」
「言っておきますけど、今は昔と違ってセクハラやパワハラには厳しいですからね」
「馬鹿野郎か、お前は!俺に触られた女が、俺を訴える?んなワケねえだろうが」
「…」
「何年ぶりでしょうね?考えたことがありませんから」
「おいおい、つれないねぇ。で、ワシへの依頼は何じゃ?」
「I県にある工場なのですが…入れますか?」
俺の前に座る男は、以前と変わらない薄汚さで現れた。
60代も半ばに差しかかっているはずだが、ギラギラとした目つきに隙はなく、獲物を狙う狩人を連想する。
数枚の工場の写真を見せると彼は腕を組み、タバコに火を付けて思案した。
「資金は?」
「…ありません」
「ふんっ、そんなことだろうとは思ったが…」
「無理ですか?」
「あっ?誰に言ってんだ?それより金がねえなら他をあたれ。正義のために無報酬で仕事をする程、俺は聖人じゃねえんだ」
「もちろん。報酬は用意していますよ」
「そりゃそうだろうなぁ。で?」
「帝警備の新人指導のポジションはどうですか?」
「…なんだそれ?くだらねぇ」
「くだらなくはないでしょう。あなたの元々の仕事ですよ」
「だから、くだらねぇって言ってんだ。俺は前総帥と一蓮托生で追放されたんだぞ。元鞘ポジションをくれたくらいで戻れるかよ!」
「有田は分かりますよね?彼、今、組織内偵部の局長なんですが、彼がそのポジションを“あなた風”にアレンジしてくれるそうです」
「“俺”風?」
「…はい。どうぞ。資料です…」
有田が用意した資料を男に渡す。
「……ほうほう…なるほど…有田は出世するワケだわ」
何となく、その言葉にはイラッと来たがここは我慢だ。
「有田は俺を組織内偵部に配属された新人“女性”調査員の指導係にするそうだぞ」
「…そうらしいですね」
「おーこりゃ楽しみだわ」
「言っておきますけど、今は昔と違ってセクハラやパワハラには厳しいですからね」
「馬鹿野郎か、お前は!俺に触られた女が、俺を訴える?んなワケねえだろうが」
「…」