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帝警備淫夢譚
第12章 城田美和、秘密特訓に励む
馬場さんは気さくなオジサンという感じで、話しやすいし私は嫌いじゃない。

けど、松葉さん。

「馬場さんが何かして来たら、すぐ俺に言って」

何かってなんだろ?

解明する間もなく、馬場さんはマユの内偵をサポートするために工場に入ってしまった。

・・・

それから一か月程して、マユが工場で大ピンチに陥っていたことを知った。
馬場さんが警報機を作動させ、I県警が駆け付けたことで、間一髪逃れることが出来たらしい。松葉さんは馬場さんへ指示を出していたので、二人ともここ最近は忙しそうだった。

「ちょっと格闘訓練はお休み」

寂しいけど仕方ない。マユを守るためだからね…。
言い聞かせ、私は松葉さんと馬場さんが集めた情報を有田局長に伝えることだけに終始した。松葉さんとも、アレからは一度もしていない。

マユが救出された後も、松葉さんは忙しそうだった。
私は、松葉さんと有田局長の間を2,3日に一往復のペースで、資料や薬品らしきもののサンプル?を持ち運んだ。

松葉さんと馬場さんは、例のホテルのスウィートルームを仮事務所にしている。費用は帝警備から出ているようで、機材などが持ち込まれていた。

・・・

「こんにちは」

有田局長から持っていくよう指示されたケース。何が入っているかは知らない。

「おう、美和ちゃん。松葉はいないぞ」

「そうですか。有田局長がこれを持っていくようにと。松葉さんが不在なら馬場さんに渡すように言われています」

馬場さんに促されてケースをテーブルに置く。

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