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帝警備淫夢譚
第12章 城田美和、秘密特訓に励む
早く酔ってくれないかしら…。暗くなると言い訳できないなぁ…。
「そうだ!美和殿に面白きものをお見せしよう」
「はて、何でございますか?」
「これですよ」
太兵衛は顔くらいの水晶玉を取り出した。
「これはですな、遠くで起こっていることを映し出す不思議な玉でしてな」
「まさか、そのようなこと」
あり得ない。何を言ってるの?
「今から映るのは、この国の藩主。つまり殿様なのですが…。この殿様、私がお代官様に賄賂を渡していると決めつけておるのです。まったく、こういう偽善者には困ったものです」
「そんな、御殿様はご立派な方と聞いておりましたが?」
「いやいや、それは表の顔。裏では色狂い…その証拠に、ホラ…」
水晶に映ったのは、見慣れたに藩主の居室だった。
私が仕える藩主・葉隠松太郎さまのお部屋。密かにお慕いしている御殿様。
私は彼の命を受けて、今も任務に臨んでいる。
御殿様は簡素な身なりだが、キチンと袴を着け、いかにも質実剛健の武士らしい。
が!その御殿様が居室にて刀を抜いているのだ。
どういうこと!?
居室には藩主である彼の他に二人の女がいる。
女二人は、墨流しの短衣を纏い、黒く塗られた鎖帷子がすらりと伸びた両手両足を覆っている。
くノ一!
御殿様が襲われている!
お付きの武士はどうしたのだ?
「曲者ぞ!であえ!」
御殿様の声は私たちには聞こえるが居室の外には届いていないようだ。
居室は不思議な力で外界と切り離されているらしい。
「助けはきませんぞえ」
「そうだ!美和殿に面白きものをお見せしよう」
「はて、何でございますか?」
「これですよ」
太兵衛は顔くらいの水晶玉を取り出した。
「これはですな、遠くで起こっていることを映し出す不思議な玉でしてな」
「まさか、そのようなこと」
あり得ない。何を言ってるの?
「今から映るのは、この国の藩主。つまり殿様なのですが…。この殿様、私がお代官様に賄賂を渡していると決めつけておるのです。まったく、こういう偽善者には困ったものです」
「そんな、御殿様はご立派な方と聞いておりましたが?」
「いやいや、それは表の顔。裏では色狂い…その証拠に、ホラ…」
水晶に映ったのは、見慣れたに藩主の居室だった。
私が仕える藩主・葉隠松太郎さまのお部屋。密かにお慕いしている御殿様。
私は彼の命を受けて、今も任務に臨んでいる。
御殿様は簡素な身なりだが、キチンと袴を着け、いかにも質実剛健の武士らしい。
が!その御殿様が居室にて刀を抜いているのだ。
どういうこと!?
居室には藩主である彼の他に二人の女がいる。
女二人は、墨流しの短衣を纏い、黒く塗られた鎖帷子がすらりと伸びた両手両足を覆っている。
くノ一!
御殿様が襲われている!
お付きの武士はどうしたのだ?
「曲者ぞ!であえ!」
御殿様の声は私たちには聞こえるが居室の外には届いていないようだ。
居室は不思議な力で外界と切り離されているらしい。
「助けはきませんぞえ」