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帝警備淫夢譚
第12章 城田美和、秘密特訓に励む
くノ一の不気味な一言に私の肌は泡立つ。

しかし、ここで私が慌てれば、太兵衛に怪しまれてしまう。
ここは御殿様ご自身で窮地を切り抜けて頂く他はない。
大丈夫だ。彼は古流剣術の免許皆伝。よもやくノ一如きに後れを取るはずはない。

「美和殿、見ていなされ…今からこの男の本性を暴きますぞ…」

ほざく太兵衛を今すぐ串刺しにしたい衝動に駆られた。

二人の女が短刀を抜く。
息をのむ私。
斬りかかるのか…?いや、女二人は御殿様と距離を取り、何やら呟き刀を旋回させた。

「ぐっ…」

どうしたのですか…御殿様、松太郎様!膝をついた彼が胸を押えている。

「ぐあああ!」

何をされたの??大丈夫ですか!?

光沢のあるロングヘアを一つに結ったくノ一が口を開く。

「あなた様と剣で打ち合おうとは思っておりませぬ…まずは男の本性を晒しなされ…あなた様がお疑いの男が持つ水晶に…今からのお姿をしっかりと記録しますゆえ…」

もう一人が続ける。肩まで届かないショートカット。少しウェーブがかっている。

「私たちの術にかかったあなた様はこれより性欲を抑えることが出来なくなり、欲望のまま私たちを犯すでしょう…その姿を水晶に映し、民や…いっそ幕府の方々に見せればどうなることか…」

…何て恐ろしい術なの…淫法のことは聞いたことがあるけれど、彼女たちの技は私の想像を超えている。

あまりの出来事に、太兵衛がそっと私の背後をとったことに気が付かなかった。

御殿様!松太郎さま!お気を確かに!

「ふーふー」

私の心の叫びが届くはずもなく、血走った獣のような眼を、二人の侵入者に向ける御殿様。
次の瞬間、彼は猪のような突進を見せ、ロングヘアのくノ一の前で腕を振り下ろす。
熊の爪牙!?彼女の墨流しも鎖帷子も、一気に引きちぎられる。

「きゃぁっ!」

流石に驚いたのか、彼女はボロで体を隠しながら後ずさる。
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