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声を忘れた歌姫 ~ トラワレノ キミ ~
第1章 幽霊屋敷にお姫様


──


「──…それじゃあ今晩から、この配置で行こう。うん、僕は中央階段から屋敷内部を……」


…迅速な打ち合わせのもと、各々の担当する場所が決まる。

屋敷の外を見張る者、マリアの寝室を見張る者、屋敷内部を徘徊する者。


「すぐにこの図面をデータ化して………ん?」


その時、…ふと

彼等の話が止まった。



“ 急に薄暗くなった…? ”



「…ああ、雨か」


窓から外を臨めば、雨粒が庭の芝生に降り始めていた。

部屋の明かりは間接照明が主で、そこまで強いわけではない。

外からの自然光が届かなくなったための薄暗さだった。



暗さの原因はわかったのだが──


「……!?」


しかし、彼等を襲う異変はそれだけではなかった。




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