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声を忘れた歌姫 ~ トラワレノ キミ ~
第1章 幽霊屋敷にお姫様


「そこの君がスミヤくんだね?ヒデアキ氏から話は通っている」

「ブレット・アーク・ウィンチェスター氏…、初めまして。このような若輩者が畏れ入ります」


スーツ姿の青年──スミヤは、差し出された手に両手で握手をする。


「僕以外の皆は、経験豊富なプロのガードマンばかりです。…もちろん、自分もしっかりと力を尽くさせて頂きますが」


顔をあげて優雅に笑えば、女性顔負けの美しさだった。


「…うむ、語学も申し分ない」

「まだ机の上の知識ですよ、お恥ずかしい」


謙遜の言葉を並べつつ、その落ち着いた話し方や表情は自信と風格に満ちている。

この若さでありながら…それは感心せずにはいられないレベルだった。



東城 スミヤ──彼は、ボディーガード業界の未来を担う期待の新人のそのひとり。

ボディーガード連盟の幹部である東城ヒデアキを父に持つ彼は

ガードマン養成校…LGA学園にて銀バッジを与えられ、その実力を保証された。


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