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声を忘れた歌姫 ~ トラワレノ キミ ~
第4章 身代わり
…それを突き付けられた、古い記憶。
もう10年近くも前の話だ。
“ 今となっては笑い話… ”
あの瞬間にくだけ散ったさ、僕の恋慕──。
けっして報われることなんてないってね。
......
「しっ!静かにして!」
「……!? どうして貴女が…」
「いいからっ、ほら、受け止めてよ~?」
「…待っ…!…──ッッ」
ドスっ!と尻もちを付いて抱き留めたスミヤの上に降ってきたのは
パジャマ姿の金髪の女性。
音に反応して真上を向けばそこには彼女がいて、問答無用で2階の窓から落ちてきたのだ。