この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
声を忘れた歌姫 ~ トラワレノ キミ ~
第5章 任務終了

「もちろん他の階のカメラにも、連れ去られるリリアの姿は映っていません」

カメラを完全に避けるなんて、普通ならばあり得ない。

カメラの位置を熟知しているからこその犯行…それは、自分が犯人だと言っているも同然ではある。

けれど証拠がない。



「──…どうしてだ…!!」


ブレットはその場に崩れる寸前だ。

スミヤに掴みかかりたい衝動を抑えながら、額に手をやり、憤慨する。



「…わかった…!! もう、いい…!!」


彼はスミヤとやり合うのを諦め、細かく頷き必死に自分を納得させようとしているのか…。


「誘拐ということならば、¨犯人¨ の狙いは身代金だろう…!! いくらだ?いくら要求しているんだ?」


「──…」


しかしまだリリアを諦めてはいないようだ。



“ 往生際の悪い… ”



問われたスミヤは仕方なく

¨犯人¨ の代わりに答えることにした。





「一億ドル」



「‥‥な」



「それとも百億ドルにしておきますか?…さて、あなたは…──あの少女の人生を、いったいいくらで買い取るおつもりですか」



「…このッ…よくも…!!」




もはやブレットは言い返す言葉も出ないほどだ。


込み上げる怒りで喉が震える。


同じ様に震える拳で、目の前の青年を殴りそうになった時──



「──もうやめて父様!!」



娘のマリアが、彼の背後から叫んだ。




/81ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ