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声を忘れた歌姫 ~ トラワレノ キミ ~
第1章 幽霊屋敷にお姫様
「…とは言えど、私はこの家で霊など一度も拝んでいない。どうか怖がらないでくれたまえ」
「怖いだなんて…まさか。僕からすれば、貴方の先祖が開発してくれた銃のほうがよっぽど怖いですけどね」
「ハッハッハ、面白い事を言う…」
アメリカンジョークだとでも思ったのか
ブレット氏は口を開けて笑った。
「君は優秀なスナイパーだそうじゃないか。そんな君でも怖いのかい?」
「当然ですよ…、人を殺すため¨だけ¨の道具です。持っている重みが、ナイフ等とまるで違う」
スミヤは右手に提げたアタッシュケースに視線を流し……
意味ありげな笑みを、その口許に浮かべて答えた。
「ふむ…なるほどな」
「だからこそ、好きでもありますよ?家にあるコレクションを眺めるのは僕の日課ですし」
次の瞬間には爽やかに笑いながら
ブレット氏に連れられるまま彼は客間に到着した。