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ボクは障害者
第2章 2,安田との出会い
今考えたらあまりに唐突だけど、あの時の僕にとっては安田の問いかけは、あまりにも衝撃的で、なおかつ人生最大の転機だった。
今まで、こんなことを誰かが僕に問いかけてくれたり、まして、考えを述べる機会を与えてくれるチャンスなんて、一度もなかったのだ。
だから僕は何度も頷いた。
決死の思いで、安田の気が変わらないよう、話が変わらないように急いで「あ!あ!」と、車椅子のレバーに引っ掛けたリュックを必死で指差し、中から文字盤を出してくれるよう安田に頼んだ。
差し出された文字盤めがけて、ぼくは震える指で(麻痺とかじゃなくて単なる緊張ね)、安田に意見を述べた。
(おれ しんけんに えつちしたい ずと おもてた)
慌てすぎてミスりまくってる僕の綴る文字を、安田は一文字一文字、猛烈にイケメンな横顔で真剣に眺め、そして音読してくれた。
すぐ隣のテーブルに座っていたヨレたサラリーマン風のオッサンがギョッとした顔で僕らを見ていたけれど、そんなことに構っている暇はなかった。
「“俺真剣にエッチしたい”、って?“ずっと思ってた”って?」
僕は再度、首が千切れんばかりに首を振った。
そして、汗が噴出す指先で、もう一度、力強く文字を綴った。
今まで、こんなことを誰かが僕に問いかけてくれたり、まして、考えを述べる機会を与えてくれるチャンスなんて、一度もなかったのだ。
だから僕は何度も頷いた。
決死の思いで、安田の気が変わらないよう、話が変わらないように急いで「あ!あ!」と、車椅子のレバーに引っ掛けたリュックを必死で指差し、中から文字盤を出してくれるよう安田に頼んだ。
差し出された文字盤めがけて、ぼくは震える指で(麻痺とかじゃなくて単なる緊張ね)、安田に意見を述べた。
(おれ しんけんに えつちしたい ずと おもてた)
慌てすぎてミスりまくってる僕の綴る文字を、安田は一文字一文字、猛烈にイケメンな横顔で真剣に眺め、そして音読してくれた。
すぐ隣のテーブルに座っていたヨレたサラリーマン風のオッサンがギョッとした顔で僕らを見ていたけれど、そんなことに構っている暇はなかった。
「“俺真剣にエッチしたい”、って?“ずっと思ってた”って?」
僕は再度、首が千切れんばかりに首を振った。
そして、汗が噴出す指先で、もう一度、力強く文字を綴った。