この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
妖魔滅伝・真田幸村!
第2章 本能寺の真実
「明智光秀は、妖魔から世を守る聖戦士だったんだ」
吉継の話は、にわかには信じがたいものだった。
「キリシタンは、二種類存在する。一つは、向こうの教えを広める善意のキリシタンだ。そしてもう一つは、善意のキリシタンに紛れて日ノ本へ侵入し、世を乱す妖魔を倒す退魔師。明智光秀は彼らの要請を受けて、妖魔を退治したんだ」
すると吉継の話に、政宗が膝を叩き笑いを漏らす。
「つまり、信長は妖魔に取り憑かれていたって事か? 確かに話に残る残虐な行為は何かに憑かれているようなものだが、明智だって、それを実行した仲間だろ」
あまりに荒唐無稽な話に、笑ってしまう気持ちは皆が理解している。だが吉継は淡々と、己の知る事実だけを口にした。
「取り憑かれていたなら、まだ良かったんだ。織田信長という男は、さらに先を行っていたんだよ。自ら南蛮の妖魔を集め、尖兵として統治し、魔の世界も共に統一しようと企んでいたんだ」
「まさか、そんな」
「もちろん、誰もそんな話を信じなかった。だから光秀自身も、他の武将を味方に付けられず、何も知らなかった秀吉様に僅か十日ほどで討たれてしまったんだ」