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妖魔滅伝・真田幸村!
第2章 本能寺の真実
「……それを証明する物は?」
「南蛮の退魔師――エクソシストと明智光秀がやり取りした書状がある。彼自身も生きていて、日ノ本で今も暮らしている。今日はどちらも手元にはないが、証拠は確かだ」
南蛮の妖魔を統べ、日ノ本を闇まで統一する。はたから見れば世迷い事だが、伝え聞く信長の話を聞けば、それを企んでいても不思議ではない。何よりつい先程、皆妖魔の力を目の当たりにしている。これを自在に操れるのだとすれば、とてつもない力となるのは間違いなかった。
「明智光秀が討たれたのを見て、エクソシスト達は己の立場の弱さを知った。そして明智勢と共に滅びないよう、彼らもまた善意のキリシタンに紛れた。そして水面下で、妖魔と戦っていたんだ」
そこで幸村は思い出す。キリシタンは今、禁教令により厳しい立場に立たされている。
「刑部殿、しかし今、キリシタンは……」
「秀吉様はある時、妖魔の連中が人攫いをする現場を見てしまったんだ。だが、善意のキリシタンと、妖魔の見分けはつかない。だから全てを禁じて、妖魔を排除しようと考えたんだ」