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妖魔滅伝・真田幸村!
第2章 本能寺の真実
秀吉が妖魔という存在を認知したのは、その時である。だが禁止したなら、本来ならそれで終わりのはずだ。しかし吉継の表情が、明るくなる事はなかった。
「しかし、妖魔もただ排除されるだけではなかった。秀吉様が最も揺らぐ言葉を、奴らは語ったんだ」
「揺らぐ?」
「――織田信長は死んでいない。妖魔の王として転生し、今も闇の軍勢を率いている、と」
その言葉に、皆が言葉を失う。織田信長は本能寺で死んだとされるが、その遺体は発見されていない。妖魔の言葉は、誰にも否定はできなかった。
「秀吉様は、信長という人物を心から慕っていた。そして……妖魔の狙い通り、揺らいでしまった。禁教令にて妖魔を隠して守ると同時に、密かに命じた。信長様を探し出し、迎え入れよと。そして信長様の目指したように、妖魔をも支配し統一を果たせと」
「しかし、魔の世界を支配など……可能なのですか」
「人が闇に手を触れるのは、あまりに危険すぎる。命じられた我々も、制止はしたよ。だが秀吉様の意志は変わらなかった。今、豊臣の内部では賛成派と反対派で、大いに揉めているんだ」