この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
資料室の恋人
第2章 C棟とエッフェル塔

「はい?」
「失礼します」

返事をすると、入ってきたのは経済学部の大月彩子先生だった。
片手にお菓子の缶を持っている。

「大月先生、どうされたんですか?」
「両親がフランスに旅行に行ったので、お土産をわたそうと思って」

缶の中には、エッフェル塔の形をしたチョコレートが、銀色の紙に包まれて詰まっていた。

「ありがとうございます」

佐倉は一つ手に取ると、お礼を言った。
大月先生は、いえいえと言って笑うと、あの、と続けた。

「今日って仕事終わってからお時間空いてます?他の先生方とご飯に行こうって言ってるんですけど、佐倉先生もどうですか?」
「あ、すみません。金曜はちょっと用事がありまして」

そうですか、と残念そうに笑う大月先生を見ながら、佐倉の頭には、真剣な表情で本を読む日和が浮かんでいた。

「じゃあ、失礼します」
「あ、大月先生」

佐倉は出ていこうと扉を開けた大月先生を呼び止めると、言った。

「あの、そのチョコレート…もう一つ頂いてもいいですか?」




/117ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ