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資料室の恋人
第2章 C棟とエッフェル塔
「日和には日和の予定があるだろ。子供みたいなこと言うなよ」
「えーいいじゃんかー!図書室には毎週行ってんだからー!」
お腹が減っているのもあって、日和は2人のやりとりを聞きながらモヤモヤしていた。
直也も明里も、日和が図書室で読んでいると思っている。
実は、毎週先生に鍵を開けてもらって資料室で本を読んでる。と言えば、わざわざ開けてもらってるのね、じゃあ仕方ない。と明里も納得するかもしれない。
でも、本当のことを言えばややこしくなるだろうし、図書室と嘘をついていた。
「あーもう、わかった!行くってば!」
「え、本当?!やったー!」
明里の顔が、待ってましたと言わんばかりに輝いた。
「日和、いいのか?」
「…うん」
直也の問いに力なく答えると、ため息をついて、今日はしょうがないと諦めた。
別に約束してるわけじゃないし、元々、先生が自分の調べもののために開けているんだし。
明里の言うように、毎週行ってるんだから。