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資料室の恋人
第2章 C棟とエッフェル塔
2軒目行く!などと言っていた明里だったが、誰よりも早く酔っぱらい、気が付くとダウンしている有様だった。
「明里大丈夫?」
「大丈夫〜ちょ〜っと休めば…あぁ~頭痛い~」
「ペース配分ってのを学習したな」
店を出た日和たちは、近くの公園で明里を休ませていた。
直也がコンビニで買って来た水を明里に渡す。
「日和ちゃんて家どこ?」
航平の問いにふと時計を見ると、時刻は22時をまわっていた。
「あ、大学の近くです」
「じゃあ日和ちゃん家まで送るよ。で、またここに戻って来るからさ」
「え、でもそんなの悪いです。私は全然大丈夫ですから」
「この時間だし、そうもいかないから。じゃ、直也、戻るまで明里よろしく」
航平は直也に視線を向けて手をあげると、日和の自転車をひいて歩きだす。日和は慌てて先輩を追いかけた。
「あ、あの…送っていただいて、すみません。自転車自分で持ちます!」
「大丈夫大丈夫!それに、送らないと俺が心配だからさ」
笑顔で言われ、日和はイケメンの上に優しいなんてと思いながら、ありがとうございますと言って航平の言葉に甘えることにした。