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資料室の恋人
第2章 C棟とエッフェル塔

「日和ちゃんは酔ってない?平気?」
「平気です、あまり飲んでないですし…」
「なら良かった。何か急にごめんね。知らない奴が来て驚いたでしょ。誰だよコイツって!」
「いえいえ、そんなことはないです!楽しかったです!」

日和が微笑みながら言うと、良かったと航平が目を細めて笑う。
気を使ってくれているのか、また本の話をし始めた航平に日和は相づちを打った。

身長150センチの小柄な日和からすると、航平はとても大きく見える。自分の頭皮が丸見えだろうなと日和は考えていた。

世の女の子は、航平のような男性に守って欲しいと思うのだろう。頭が良くて、イケメンで、優しくて。

日和は、高校時代に付き合っていた彼氏と大学受験を理由に別れたのを最後に、3年ほど彼氏がいない。
特別今すぐに欲しいとは思わないけど、何年かしたら自分の隣に特定の男性が居るのだろうか。

日和は笑顔で会話をしながら、頭ではそんな事をぼんやりと考えていた。



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