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資料室の恋人
第2章 C棟とエッフェル塔

「本当にここでいいの?家まで送るよ」
「いえ、大丈夫です!すぐそこなので。送っていただいて、ありがとうございました」
日和は航平がこれから直也と明里のいる公園に引き返すということを考えて、やんわりと断った。
「じゃあ、時間遅いから家ついたらメールしてよ」
だから連絡先教えて?と、航平は自身の携帯電話を差し出した。
「ここに日和ちゃんの番号入れて」
「あ、はい」
日和は言われるまま、番号を入れた。すると航平が日和が入力したばかりの番号に電話をする。日和の携帯電話がブルブルと振動して航平からの着信を伝えた。
日和が連絡先を登録していると、航平はよっしゃーと言った。
「?」
「自然な流れで気になる女の子の番号をゲットできた!」
「えっ…」
「じゃあ本当に気をつけてね、家ついたら連絡して!」
笑顔で颯爽と路地を曲がっていく航平を見ながら、日和はぽかんとしていた。

