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資料室の恋人
第3章 出さないメール
家から一番近いコンビニは、坂を下るとすぐのところなので、歩いていくことにした。
道沿いに植えられている木々の葉が白くきらきらと光りながら風に揺れる。まだ5月ではあるが、今日は初夏のような暖かさで、風が丁度よかった。
お馴染みの効果音とともに自動ドアが開いて、いっらっしゃいませと声をかけられる。
コンビニに着いた日和は、適当に雑誌を取って読み始めた。
土曜日の昼とあって、出入りする客が多くその度にいろいろな音がしたが、雑誌に集中し始めると気にならなくなっていった。
しばらくして時計を見ると、来た時から30分近く経っていて何か買って帰らなければと雑誌を置いた。
店内をぶらりと歩いていると、ドリンクコーナーに見覚えのある人がいる。
長身のイケメンがガラス越しに商品を選んでいた。